2015年4月7日火曜日
チリ映画「NO」 広告で国を変えてしまった話。
チリ映画「NO」を観ました。
http://www.magichour.co.jp/no/
2012年に公開された映画だそうです。
チリの広告マンが、15分のCMで国を変えた話。
実話を元にしています。
あらすじはこんな感じ↓
独裁政権を支持するYES派と、
反独裁政権で自由を求めるNO派に分かれるチリ。
投票までの27日間
1日15分のPRCM(ほぼ番組)が流れる事となり、
アピールはその15分枠のみ。
政見放送って感じですかね。
しかし、YES派の出来レース状態。
主人公のレネは、新進気鋭の広告マン(プロデューサーといった感じ)で
NO派の党首から、
毎日放送される15分CMをプロデュースしてほしいという依頼が来る。
最初は出来レースだからやる気ないっす。って感じだったんだけど
だんだん「広告屋の考え方デス!!!」って感じで
本気モードになってきて
当時のチリにしてみるとだいぶ斬新な形でTVCMを作って世界変えちゃいました!
って話。
ジャケットのコピーが「CMは世界を変えられるのか?」なので、
広告業に携わる身としては、見逃せない映画だったためTSUTAYAで即決。
チリの映画だけあって、
カメラワークがホームビデオ級!
カラコレしてない!
カットの割り方が雑!!!!笑
って、思ったら一応演出らしいです。
1980年代風にわざと撮っているのだとか。
確かに凄いリアルでドキュメンタリーみたいでした。
どこまで演出なのかはわからないですが・・・笑
普段の自分の仕事と重ねて比較して観てしまった事もあり、
そういう観点で「面白い!」と感じた事がありました。
例えば、、、
・プロデューサーが打合せや撮影現場に自分の子供を連れてくる。
これできたらいいね。
・打合せが街角
突然街角で打合せしてた笑
・クライアントに逆ギレ
日本だったら即退場→出禁です。
・プロジェクト遂行中に国で暴動が起きる
こういうのって日本はないよなー
・クライアント競合(この映画だとYES派が競合にあたる)が妨害しまくる
妨害の仕方が尾行とかテープを盗むとか笑
・プレゼン資料の手作り感
これは、1980年代だと日本もそんな感じだったのかな、と思いましたが
イベント提案のイメージ資料の手作り感、良かった。
これはあるある!というのもあって、
・プロデューサーとディレクターの意見の対立
オフィシャルHPでは「カメラマン」となっていたけどディレクターだと思う。
・それじゃ人は動かない。
打合せでよく出るセリフ。「そう思うならアイデア出せ!」と心の中で返すやつ。
・音楽の啓蒙
「チーリ!♪」って耳に残る、歌いたくなる音楽をCMで流しているのですが
この効果はバッチリだった。
映画の中では、音楽プロデューサーへのオリエンは一瞬だけど
結構キモになる、CM音楽。
この映画の中では、
「勝利する=独裁政権がなくなって自由を手に入れる。」という、
国も自分も変える大きな出来事で、
プレゼンに勝つ事で自分の生活も変わっちゃうって、
普通に広告会社で働いてたら全然ない事だから凄いなーと思いました。
肝心のCMのクリエーティブが新進気鋭だったか、というのは
正直わからなかった。
当時のチリの文化事情をよく知らない、というのが大きい。
そこに「なるほどー!その手があったか!」という印象は受けなかったけど、
冒頭のコーラのCMと、
「チリは新しい時代に向いている」という台詞で
レネが作ったNO派のCMが新しい物だという事はわかった。
広告的なクリエーティブやアイデアに期待するよりも
単純に伝記映画として観た方が面白いかも。
珍しく1作品について長々と感想を書いていますが
点数はそこまで高くないです。
でも、広告で変わった国がある。という事実が面白いな。と思い、
新しい発見だった。
映画は知らない世界を見せてくれますね。
だから好きだなぁ。
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